小川郷太郎の「日本と世界」
早春の富士山である。春先に家族と車で箱根に出かけたが、突然の大雪に見舞われた。1、2時間後雪は止んだが、道路が凍結したため降りられなくなり、救援のトラックを待つ間に急いで描いたもの。空は明るくなってきたが、まだ山頂に雲が漂う。画を描き終えるとその雲も消えて青空が見えてきた。 最近、日本の国家衰退論が唱えられたりするが、日本にはまだまだ底力はある。それを発揮して国家の品格を示してほしいとの思いを、漂う雲も消える寸前のこの画の雰囲気に重ねたくなる。